俺のひとり言

だたの独り言です。中には有益な情報もあるかもしれません。

【知識】椅子って面白い!!その歴史・種類を深堀していく Part1~昔、家具に魅了された時を思い出す~

私は20代前半、友人と3人で何かお店をやりたいと本気で思っていた。お店・会社の作り方の知識等ほぼ「0」で、とりあえず何かをやりたいという強い思いだけはあった。


結局、洋服・家具に絞られ、そこはやはり若者。シャレオツな物に惹かれる。洋服なら古着やをやりたい。ヴィンテージではなく一般的な安い古着や。


お店は、大好きな横浜・みなとみらい・元町・辺りで、

お店は30坪くらいか?

海外へ買い付けに行って・・・等夢が膨らむ。


同時に家具にも興味があり、地元のお店「デコボコ」によく足を運んでいた。
その中でも「椅子」に強烈に惹かれ、本を何冊も買っては勉強し、お店には足を運び品定めをする日々。


そして、20歳で就職してから1年間毎月7万円、1年で100万が貯まり友人3人で目標の300万まで到達した時、私は結構やるきまんまんだったのだが友人2人は思ったよりも冷静で、お店を出すというリスクを恐れ結局話は破綻。


それから、逆に今まで好きだった家具には興味がなくなり。知識に蓋をした。
あれから20年、ふと過去を振り返っていて記憶が蘇ってきたので今を逃すまいと書き綴っていく。





椅子の魅力について

椅子は言わば、「ただ、人が座る道具」その通りなのだがこの「人の座る姿勢を支える」という所がかなり重要な役割を果たしている。人は、椅子に座り知らず知らずの内に何かに没頭して五感を研ぎ澄ます。人間が全身を駆使して使う類稀な道具なのだ。その重要性を理解した時、次のステップとしてどのような所に着目して選ぶのか? デザイン?素材?サイズ?価格?ブランド?等。
椅子は無数にあり、調べれば調べる程にその歴史は深く興味深い。


近代椅子の系譜図について

当時調べた確かな記憶だが、現代における「名作」と呼ばれる椅子達はその歴史のなかで代々脈々とその重要なポイントを受け継いでおり、何らかの影響を受けているらしい。そして、4つの大きな潮流(時代の動き・流れ)に分類されるとの事。

1.明式家具

①造形性
中国で椅子座の生活が定着したのが明代(1300年代~1600年代頃)で、その頃使われていた椅子が原型である事から明代家具と呼ばれ、過度な装飾を施さないシンプルなデザインとバランスの良いプロポーションは、中国の高いプロポーションから生まれたモノ。そして、このフォルムは17~18世紀にヨーロッパ英国・北欧のデザイナーの作品に強い影響を与えたと言われている。


②技術性
アームから背に見られる流麗(よどみがなく美しい様)はトーネットの曲木と違い木を接ぐ事によって生み出されている。生産効率は悪いが、逆に手仕事の確固たる技術が求められる事となる。

③思想性
大航海時代を経た17~18世紀のヨーロッパではアジアの文化全般が伝わり「シノワズリー」として花開いた。明式家具が、イギリスのチッペンデール様式に与えた影響は、特に顕著であったと伝えられている。
ヨーロッパ圏の椅子が、建築と強い結びつきにあるのに対して、アジアの椅子は住居空間、服飾、儀礼との繋がりが強い。



代表例

クァン・イアームチェア
デザイナー:不明
製作年:15~16世紀
材料:黄花梨
※上の写真の通り


2.ウィンザーチェア

①造形性
細い丸棒上に加工した部材を、縦に平行に並べて背もたれを構成するのが特徴
。これを、スピンドル、スポークと呼んでいる。
20世紀初頭には、世界中の家具メーカーがこぞってこの技術を習得し椅子の生産性向上を図ったと言われる。とても、懐かしいような身近で感じられる椅子の一つ。


②技術性
その大きな特徴であるスポークを作るためには特殊な技術を要する。それを担ったのが轆轤士(ロクロシ)だった。彼らは、一定の所に留まらず旅をしながらその技術で生計を立てていた。彼らの存在があったからこそ、スポークを使用した椅子が各地で生まれたのだという。また、最後にフレーマーと呼ばれる職人が組み立てを行っており、スポークを1本1本異なる角度で立てるため全て手加工だったそうだ。


③思想性
産業革命を経てロンドンという巨大な消費市場を背景に、その近郊のウィンザー地方で普及した。素材は、各地からパーツごとに適した素材が集められ、生産は、各パーツに合わせた技術をもとに職人が分業を行った。素材も技術も適材適所の考え方が持ち込まれているといえる。

代表例

ピーコックチェア
デザイナー:ハンス・ウェグナー
製造:P・P モブラー(デンマーク)
製作年:1947年
素材:トネリコ材

読んで字の如く、孔雀の羽のように広がる背もたれが特徴。また、背の1本1本のスポークが矢にも見えるため「アローチェア」とも呼ばれている。とても神秘的で美しいフォルム。


スポークチェア

デザイナー:豊口 克平
製造:天童木工
製作年:1962年
材料:ナラ材 布張り

日本人のデザイナー・製造元で、あぐらのかける椅子として「あぐら椅子」とも呼ばれ有名。畳の上に置いても足が太いためあまり畳を傷めず、如何にも日本的な椅子。私が欲しい椅子の一つ・・・独身の時に買っておけば良かったと後悔している。

















Part2につづく・・・